カテゴリ:治療生活 > 日常のこと

HBOC(遺伝性乳がん卵巣がん症候群)に関するウェブセミナーがあり、聞いてみました。

セミナーの内容に関しては明日また書こうと思いますが、ウェブ開催って本当に便利ですね。

スライドを見ながらの部分は小松菜を切ったりしながらもしっかり見ましたが、質問コーナーなどは炒め物しながら音だけ聞いたりしていました。まあ部屋着でカツラなしで寝癖全開でもリアルタイムに聞けて、わたしはしなかったけど質問もできて、とにかく楽なのに有意義。

学校の授業もこういった形でしているところもあるようですが、数百人が居眠りや内職しながら受講する大部屋講義をやり過ごしてきた私からすると、オンライン授業は十分ありだなあと思いました。

↓豆腐の上の通称カリカリ醤油が美味しい↓
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この週末、予定では患者会の勉強会に参加することになっていました。

TNBC患者の会(その1)TNBC患者の会(その2)に書きましたが、前回の勉強会はとても有意義で、懇親会も楽しかったので、今回もとても楽しみにしていました。

でも、新型コロナの拡がりが見え始めた頃、延期が決まってしまいました。
その頃はまだ会合の自粛とかあまり言われていない頃でした。

やっぱり患者ばかりが集まるから、大事をとって早めの決断をされたんですね。
今思えば、いち早く延期を決めてくれたおかげでホテルなども余計なキャンセルをせずにすみました。

秋頃に開催できれば、ということだったんですが、その頃には想像できなかった程の拡がりで、本当に開催されるのか不安ですが、楽しみにして気長に待ちたいと思います。

患者会を運営してくれている方々に感謝です。

↓前回の懇親会のお料理↓
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国立がん研究センターが、2003~06年にがんと診断された人の10年後の生存率を発表しました。
乳癌では85.9%だったそうです。

ステージも、サブタイプも、術前化学療法の成否も、 すべてひっくるめての85.9%です。

そして、それらを勘案した自分の本当の生存率はある程度わかっていますが、さすがに具体的すぎる数字は身近な人、特に親なんかには言えないので、こういった数字が公表されると、見て安心してくれるんじゃないかと思います。


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病気がわかった頃から、良かれと思ってアドバイスしてくれる人がいたりします。知人の整形外科開業医もその一人で、

「H大学病院を紹介してやろうか?」

「この辺だと同門の○○先生のブレストクリニックが抜群の症例数だから紹介してやろうか?」

「先に手術しないで抗がん剤で小さくなるのを待っていて手遅れになったらどうするの」

「全摘と温存で生存率は同等なのに全摘するの?」

と、グイグイ押してきます。全くの善意からということはわかりますし、専門外ながら、H大学病院の外科系出身だけに乳腺専門医ともつながりがあるようで、全くの的外れなことではないのです。気持ちは有難いです。ただ、そっとしておいてほしいです。


この他にも、乳癌のことを全く知らない人からのトンチンカンなアドバイスはサラッと聞き流したり出来るのですが、中途半端に知識がある人からのアドバイスほど困るものはありません。

その1)乳癌経験者
サブタイプやステージが私とは違う人、自分の受けてきた治療が唯一または最善と信じて疑わない人。あなたにとっては最善でも私にとっても同じとは限らないことに気づいていないのです。

その2)医療関係者
現在乳癌治療に関わっている人ではなく、随分昔の知識しかない看護師とか、他科の医師とか。現在の標準治療を知らないなら素人と同等。なまじ医療知識があると妙な自信があるので、反論してもなかなか聞いてもらえず疲れます。


私も押しつけがましいところがあると自覚しているので、周りの人が乳癌になったときは気をつけないといけないなと思っています。
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先日、映画「人生をしまう時間」を観ました。

これは、森鴎外の孫で在宅医療専門の医師とその同僚の、自宅で最期を迎えようとしている患者さんとの関わりを撮ったドキュメンタリーです。

在宅医療を受けることになった原因疾病は様々でしたが、殆どの患者さんに共通していたのは、急変しても積極的な治療はしない前提であることでした。
だから脳梗塞を起こしていると思われるケースも、そのまま自然に任せていました。

出演している患者さんの殆どは高齢者でしたが、ワタナベさん母娘だけは違いました。52歳で末期癌の娘さんを70歳代のお母さんが看取るのです。

このケースだけは見ていて辛く、全ては直視できませんでした。

私自身は癌とはいえ初発だし他臓器転移はないので、癌で死ぬとは限らないし(というか死なないつもり)もしそうだとしても相当先のつもりだし、でも、どうしても母より長生きできる確信が持てないのもあって、自分と重ね合わせてしまったのです。

いま一人暮らしの私が最期の迎え方を選べるとして、万が一、母より先だったとしても母には看取られたくないし、娘にそれをさせるのも気が進まないし、一人暮らしのまま在宅医療のお世話になって誰にも看取られず次に訪問してきた看護師か医師に発見されるというのはどうででしょうか。そんなことを想像しています。


映画については、PCAポンプを実際に使っているところ(自分のタイミングで鎮痛を図れる自動モルヒネ投与の仕組みです)を初めて見たし、「最期の時が近づいているから皆で見ていてあげなさい」と医師が家族に告げて本当に数時間で臨終となるところで在宅医療の良さを感じたし、一方で家族の負担が大きく施設入所に至ったケースでは在宅医療の限界も感じたし、本当に実になる映画でした。

↓映画の中で印象的だった百目柿です↓
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