カテゴリ:治療開始まで > ヒロシ先生

CT撮影から食事休憩をはさんで結果説明です。
ヒロシ先生の表情はなんだか話しにくそうです。

「先日のエコーでも確認したとおり、腋窩リンパ節は大きい転移がありますが、胸骨近くのここ、この大きなものはリンパ節転移のようです。そうするとステージは3cとなります」

「それから、前回調べた腫瘍マーカー、特別高いというほどの数値ではないが、基準値は大きく超えており、初期の患者さんはあまり反応しない項目なので気になります。他臓器転移は、可能性が高いとまでは思いませんが、仮に転移があればステージ4となります」


早急にPET−CT検査を受けることになりました。スタッフさんが検査機関に予約の電話をかけてくれている間にもヒロシ先生の話は続きます。


「ステージ3cの場合、前回話した治療方針と、順番としては変更はありません。まずは抗がん剤治療、その効果をみて手術を考えていきます。ステージが変わってもやるべきことは同じだから、頑張っていきましょう」

「ただし他臓器に転移があってステージ4となった場合は、方針が変わります。3cまでなら、とにかく根治目指そうと、使用期間が決まっているからある程度の副作用を我慢してでも強い抗がん剤もやっていくけど、ステージ4になればもう決まった期間というものがないから、使う薬剤も違ってきます」



乳癌になった場合の治療法は自分の中で理想とするものがあったのですが(病気になる前にお勉強)、それらが適応しない段階に既になっていたのです。

癌告知を受けてもそれほど動揺していなかったつもりですが、

癌<術前化学療法<<<<<リンパ節郭清<<<<<<<<<<<<<<<<<ステージ3cか4か(今ココ)

といったところで、この日はさすがに落ち込みました。

ヒロシ先生の初診から数日後、CT撮影の日です。

造影剤の副作用でアレルギーが起こることがあるらしく、私は軽くですが喘息があるので、アレルギーのお薬を予防投与するところからです。

針を何回も刺すのは嫌だけど、点滴の針は刺したまま造影剤に繋ぎ替えるので、痛い目は一度で済みます。

「痛み大丈夫ですか」と看護師さんが聞いてくれて、そんなに痛くなかったので、

「んー、成分献血くらいかなー」と適当に答えると

「そんなに痛かった?」

と言って手元にあった一番太い18Gの針を見せてくれました。

「成分献血はこれより太くて、今日のは24Gだから細いんですよ。成分献血と比べたら全然ですよね」

ああ、だから全然痛くないんですね。すみません、成分献血もそこまで痛いと思ったことがなかったので、あまり痛くないという意味で言ったのですが。


さて、CTはベッドに寝て点滴を刺したままアーチ状の機械をくぐりながら撮影されます。MRIみたいにカプセル状のものを想像してましたが、違うんですね。3往復ほどしたでしょうか。息を吸って〜止めて、と自動音声で指示されるのに従うくらいで特に辛いこともなく終了。

造影剤が体に入ると体が熱く感じること、お手洗いに行きたくなったような感覚になることを事前に聞いていましたが、聞いていたとおりの感じでした。もう、このモゾモゾ感!漏れちゃう!!でも違うらしいし!!!

念のため撮影直前に用を足し、撮影が終わってお手洗いに行きたい感覚があったので行ってみたら、30分ほどしか経っていないのに満タン出ました。
造影剤を排出しやすいよう事前にお茶をたくさん飲むよう言われて飲んでいたので、その効果があったのでしょうね。


↓関係ないけど、前日の出張先で奮発した昼食↓
IMG_20190731_120006552


↓また糖質↓
IMG_20190731_120750865

「先生、抗がん剤の前にササッと取っちゃうのはダメですかね、もう早くすっきりしたくて」

「うん、わかりますよ。気持ちはわかります。ただ、先に抗がん剤をやることで小さくなれば乳房温存も検討できるし」

「私、温存は全く希望していないんです。それにこんなに早く大きくなったから、もし抗がん剤の効きが悪くてさらに大きくなったら嫌だなあと。それから、実際痛みがあるから早くおさらばしたいんです」

「わかりますよ。抗がん剤が効かなくて、小さくなるどころか大きくなって取れなくなってしまったら、という心配もありますよね。その可能性は確かにゼロではありませんが、抗がん剤が効かない人は1割ほどですし、投与の度に大きさは確認するし、万一効いていないとなればすぐに手術に切り替えることもできます。とにかく再発したときの治療も考えていかないといけない状況なので。来週にでも始めましょうか」



乳癌界隈で有名な某プラザの先生には一蹴されてしまうところでしょうが、2人のドクターにそう言われるのなら、私はもうヒロシ先生にお任せしようと思いました。

触診で、リンパが腫れていることを指摘され、そのままエコーで確認、プラス細胞診です。針生検の時もそうでしたけど、痛いよ、と予告されるほどには痛く感じないので、この調子で痛くない治療が続くといいなあ、とボーッと考えていました。


さて、椅子に戻ってエコー静止画像を見ながら説明です。

「ここね、これがリンパ節に転移しているものですね」

確かにしっかりと何かが見えます。

「シコリの大きさが4.5cm、リンパ節に大きな転移が2つありますから、今のところステージ2bと言えます」


そうかあ…。リンパ節郭清するんだなあ…。

癌の告知を受けたときより、この時の方が嫌でした。しかも4.5cmって。トム先生は検診時20数mmって、昨日も3cmくらいって。測り方とかあるんでしょうけど、大きいなあと思ってしまいました。

「来週、CTを撮って、乳癌がどこまで拡がっているか、また、他に転移していないか確認しましょう。ステージの確定はそれからです」

他に転移とか、いやあまさか、と思ったけど、まさかの癌になった以上、これ以上のまさかだって覚悟しておかないといけないんですね。
今の時点では、≧2bといったところですね。

ヒロシ先生、トム先生からの紹介状とユキさんの入力内容を確認していきます。

ここでも家族歴を確認され、今度は大腸癌を聞かれたのですが、骨肉腫になった祖母は最終的には大腸癌で亡くなっています。こういう人は決して少なくないと思うんですけど、高齢になる前に癌を発病すると家族性が疑われるんでしょうかね。


さて、治療方針です

「トム先生から治療方針について何か聞いてますか?」

来たっ!
実は、トム先生からは術前化学療法を勧められていたのです。でも私はとにかくまず取ってしまいたかったので、ヒロシ先生からフラットな意見を聞きたかったのです。トム先生からの紹介状に治療方針のことが書かれていないことは、広げられた紹介状をガン見して確かめてあります。

「いえ、特には聞いてません」

「そうですか。あなたの場合は、まず抗がん剤を半年やって、それから手術になるでしょう」

えっ。やっぱり術前なの?

詳しくは触診とエコーのあとでゆっくり、ということになりました。

↑このページのトップヘ